七割生活,とほほ

ちょっとニッチな分野の文系研究者による日々の感想とか,いろいろ

術後の経過。

乳がん手術をし、
その後、抗がん剤ドセタキセルを2回し、副作用が強かったので、後は中止になった。味覚異常と手足のしびれが残った。
手術では乳房温存手術だったので、再発防止のために
放射線治療がはじまり、毎日10分ほどの治療を週5回、5週連続の25回。しめて一ヶ月強を毎日病院に通った。
私は病院までの時間がタクシーで2メーターなので、毎朝8時15分には病院に着き、9時15分には戻って、その後出勤した。
近年のがん治療では、費用の点からも「働きながらがんと戦う」「働きながら、がんと生きる」という生活の質に力点をおいた治療を推奨していて、職場の理解を得るために病院や医師、ケースワーカーが職場を説得してくれる。
国立大学法人勤務で教育職である私は、もともと自由裁量制の働き方をしているので、その点は非常に幸運であった。
とはいえ、体の不調はだらだらと続き、持病の糖尿病治療や心療内科での治療も継続している。
困ったのは、がん治療の費用である。
いわゆる「がん保険」にははいっていなかった。
まだ職場で現役で働いているので、高額医療申請をすると、何ヶ月か後には、一部の金額が払い戻されるし、年度末の確定申告では還付金申請で戻ってくるのではあるが、
がんの手術に15 万円。
抗がん剤点滴に一回3〜5万円を3週一度で10回ほど。
分子標的薬の点滴治療(まだ継続中)が一回35000円ほどを来年の2月まで続けるのである。
また、糖尿病のインスリン治療にも月に10000円ほど、心療内科の治療にも10000円ほどかかる。
ので、だらだら、だらだらとお金が出ていく。
貯金はみるみるマイナスになり、かなりつらい。
勤務も完全に勤務できているわけではないので、勤務評定のクラスが落ち、賞与の支給基準でも響いた。
まだ、独り者なので、病院に入院していれば、その大部屋にいる間は光熱費食費無料だが、それこそ家族がいる場合の生活費はまったく余裕がない。
こういう経験をしているので、ともかく会う人には「がん保険にはいっておきなさい」と勧めている。
まだ、私の場合は転移がないので、あと5年の監視とホルモン剤療法を続けるだけである。
あと、6年たったら定年になるので、そのあたりで人生の一区切りがつく。