七割生活,とほほ

ちょっとニッチな分野の文系研究者による日々の感想とか,いろいろ

乳がん闘病中 抗ガン剤の副作用に耐えている最中

8月初旬に、地元の乳がん治療では扱う症例数が圧倒的に多いS病院に入院しました。抗ガン剤治療が始まりました。

乳がんとしては「早期」ということで、
術前抗ガン剤治療 で 腫瘍を小さくし、そのあと、手術、そのあと、ホルモン療法ということになります。
まずは入院10日して、抗ガン剤の影響を見ます。FEP療法というやつです。よく抗ガン剤の過酷さで、抗ガン剤を否定する人もいるようで、いろいろ忠告とか抗ガン剤やめろ見たいな説得もされましたが、そんなもん 患者になってから言え!という感じ。まずは 試してみます。
抗ガン剤は劇薬で血管を傷つけることがあるとのことで、鎖骨の下に、まず、抗ガン剤点滴のためのポートを埋め込み、直接太い血管に流すようにします。その手術の時、わき下のセンチネルリンパ節を生検でとって転移を調べるのですが、手術中に「あ、これ病理検査出しといて」「急ぎますか?」「急がないから〜」という会話があり、のち、転移なしとわかりました。やれやれ。転移がないとかなり楽です。
そのあと、病室(相部屋)に戻り、2日後には第一回目の抗ガン剤点滴。赤い薬(なんというのか?)とエキセドリン、もう一種を点滴しました。そのあとは副作用の様子見。実際副作用があまりに個人によって多様なので、典型的な推移は言えないということでしたが、私の場合以下のような状態。

抗ガン剤投与1〜3日目 軽い吐き気と全身倦怠、食欲不振  他の癌闘病記で脅かされていたほど、吐き気はなし。これは、近年になっていい吐き気止めが出たからであるらしい。デカドロンとか二種ほど錠剤を飲んでいるとさほど気にならない。こまったのは、翌日から現れた口内炎。口の中が舌から内側から炎症を起こしていたくてしょうがない。入院前に歯科の検査を受けてくださいと言われ、歯茎とかかなり健康であることがわかっていたので、それ以上の心配はしないとですみましたが、歯ブラシが触れるだけで痛いので、毎日苦痛でございました。病院食は「食欲不振食」とでもいうフレンチトーストばかり食べておりました。

4日目。糖尿病(インスリン注射)の患者でもあるので、医師も注意しながら処方してくれているのですが、独特の副作用が出てきた。血糖値の異常な上昇です。通常の血糖値は110以下なのですが、私は140。しかも入院前調整に失敗してます。それが、2日目から、血糖値が300−500に上がりました。看護師と一緒にええええ?ちなみに入院中の糖尿ケアは全て看護師の見張りの元でやってます。仰天しましたが、これは 抗ガン剤の中にステロイドが入っていて、糖尿病にステロイドは悪化する要因だったことによるもの。大丈夫かいな?と思っていたら、その影響は、4日目にきました。

寝られない。
正確に言うと、4−5日で血糖値は劇的に下がりました。その急激な降下で、体がショックを受けて、不眠になってしまいました。
私はまたパニック障害もち、鬱もちなので、パキシルソラナックスデパスドグマチールレンドルミンを飲んでいたのですが、いずれも効かない。この日は完徹夜になりました。しんどい。

医師に相談して、あまりに寝られないので、翌日は 初めてハルシオンを飲みましたがそれでも2時間が限度。しかも、このハルシオンというやつ悪夢になりやすいということで、非常に濃い苦しい夢を見ました。おかげで昼間もぐったり。でも体が興奮しているママです。

後からわかったのですが、独り暮らしに慣れている私は相部屋が苦手で、相部屋ストレスにもなっておりました。

その翌日が退院。退院して自宅で寝たら、スッキリ寝られました。

副作用二週目。体の免疫がなくなる時期です。白血球も赤血球も減少します。ので、感染しやすい。何事も。貧血のクラクラ、そして発熱。自宅に医者から抗生剤を二種、吐き気止め、熱冷まし(カロナール)を3日分もらっていたので、発熱と頭痛が出てきた時に飲みまくり。この週はその頭痛と発熱と抗生剤での対処で明け暮れ。体力がなくなって、何事ものろのろと30分でバッテリーが切れます。マスクとか手洗いとかそれから毎回のうがいが欠かせなかった。

3週目。日に日に副作用がましになってくるのはわかるのですが、頭痛と食欲不振で4kg痩せました。あと、無気力と鬱が出てきて、何にもできません。テレビも本も何にもできない。何もできないことに焦って、ますます状態悪いです。

そして4週目には、二回目の抗ガン剤点滴。
何と言ってもまだゲーゲーやらない「軽い」症状なので、「通所点滴治療」になりました。これは通勤しながら点滴治療できるので、非常にありがたい。相部屋の中には離島から来ておられる方も多く、止むを得ず、一週間は入院というのもあったので、タクシー2メーターで自宅にも職場にも通える私は幸い。

そして二回目は、口内炎を防ぐために頬張る氷をいっぱい持って行きました。朝8時に病院に行き、採血、エコー診断、診察、そして点滴部屋に行くと昼になっていて、ベッドに寝たまま、1時間半の点滴を受けます。看護師さんの指示でエキセドリンの前に氷を頬張る。これが非常に効果があって、2クール目は口内炎がかなり減少しました。

そのあとは、抗ガン剤の副作用としては上記とほぼ同じ。一周めは全身倦怠。血糖値の急激上昇と、そのあとの下降で体にショックが来て寝られないとか頭が回らない。
2週めでは心療内科を紹介してもらい、10年以上飲んでいるソラナックスドグマチールをやめ、デパス一つに切り替える。という大技をやりましたので、最初のクールに加えて、頭がはっきりしないとか、ソラナックス離脱症状が出て、手がすぐにブルブル震えるとか悪寒がする、物を考えられないという精神症状が出ました。
あとは、やはり発熱と頭痛、抗生剤は一週間分、3週目になってじわじわと回復、というパターン。

通勤してはいましたが、ほとんど仕事にならず。まだ、チームワークの仕事でなかったのと、授業は夏休み中だったので、よかった。ただし、自分の研究はまるでできませんでした。頭が考える状態ではなかったので。


そして、今は3クールめに入ってます。やはり、同じような副作用の推移をたどっているのですが、だんだん鬱傾向が強くなり、今回は貧血も強くて、かなりまいりました。それから、口は口内炎ではないけれど、舌が炎症して味わからず、痛い。ついでに肛門も痛い。体の内臓粘膜が出ているところが全て痛いです。

精神的に嫌になる状況に耐えねばならず、イライラして何かやると、体力がないので、息切れして「やっぱり病人だわ」という自己嫌悪の繰り返しです。

この抗ガン剤は後1クールで終わり、また、入院して、今度は別のパーセプチンとかドタキセルという抗ガン剤に変わります。これもまた、いろいろ副作用がありそうで不安です。しかし、この薬と用法は本の4年前に保険で使える認可が下りたそうで、そのおかげで一回36000円の治療費で済んでます。手術とか全部やると65万円だそうで、なんとかこれなら払えるかなぁというところ。医療保険は共済組合のものと県民共済のものだけなのですが、持病持ちとしては癌保険とかには入れなかったし。

ま、なんとか3月末に完全復帰を目指して頑張ります。何と言っても早期だったのと転移がなかったので、希望があります。やれやれ。