七割生活,とほほ

ちょっとニッチな分野の文系研究者による日々の感想とか,いろいろ

犠牲がでないと、改善されない施設って

先日転んで骨折したのは、自分の不注意とはいえ、根本にはその大学の施設環境が良くないからだと思う。
 自分の経験でもそうなのだが、文系のみの大学は深夜や休日に研究室で実験をしているということがないので、夜間や休日は「原則として人はいない」ということになっており、夜間と休日はそうそうにドアに鍵をしめてしまう。
 総合大学や理系実験系が多い学部があると、夜間休日でも人はいるし、それなりに明るい。あるいは構内の街灯くらいは十分に明るい。
 先日の研究会はいつも週末に開かれ、いままでも土日に出張することが圧倒的に多いのだが、文系単科大学なので、当然、週末モードで基本的に施設も「お休み」になっており、外来者がくると研究所の正面ドアが開かず、「週末研究会の方は外付けの木製テラス階段を3階まで上がってください』ということになっている。(これって身障者の研究者が来たらどうするんだろう?)
 まだ昼間はよろしいのだが、暗くなってからこの階段を降りるのはすごく怖く、そのときも転ぶ直前に「なんかもっと階段の灯を明るくするとかしてほしい」と言ったところだったのだ。言霊になってしまって自分に呪いがかかってその後、同様の場所で転んで骨折になってしまったわけだが。

 構内が暗いのをなんとかしてほしいよ。わたしが踏み外して落ちた3段の階段も構内の暗いところにあり、1段の段差だと思って踏み出したところ転んでしまったのである。
 単純に黄色い反射板を階段の縁に貼ってもらうだけでも状況は違うと思う。
 「骨折になってしまった」とそこに勤務の友人(当時同行してた)にメールしたところ、おりかえし返事がきて「なんとかしてほしいと事務に言う」と言ってくれた。言ってくれ、言ってくれ。なにか実害がでないと施設が改善されないのは国立大学の悪いところである。私立なら学生にけががあったらこまるので、もっと早く動く。
 かつて大阪外大の箕面校舎(現阪大外国語学部)でも、以前夏に集中講義にいったら、いきなり教室を大会議室に変更されたことがあった。理由はその前日に個人研究室(当時クーラーなし)でロシア人の教授が熱中症で倒れられたので、あわててクーラーのある部屋を用意しました、ということだった。ほらあ〜〜。犠牲がでないと改善してくれないのよ。
 さらに昔の大外大の移転当時の苦情をいうと、この校舎がクーラーなしのセントラルヒーティング(ボイラー)で、各部屋で調節ができず、ものすごく暑い部屋があった。(当時の学長の裏話では「移転前より、光熱費が倍になった」との話だった。どれだけ貧しい環境でいたんだ!上八学舎!)
 そして、何年かあとに週末に学会大会で使おうと交渉したら「ボイラーマンに休日出勤してもらわないといけないので、お断りします」というとんでもない返答があった–国立大学時代のことだが。
 
 今の勤務大学が研究棟を改修するとき、そのような経験からやかましくクーラーは各部屋で温度調節ができるものにして、休日にも入れるようにしてほしいとか言ったら、苦い経験がいろいろ積み重なったのか、各部屋で温度調節とオンオフできるクーラーになり、廊下やトイレの天井燈はセンサー式になり、トイレもウォシュレットでセンサー式になって、舗道にはちゃんと夜間も街灯がついて足下も明るく、夢のようである・・・。
 どうか、某外大さま。私の骨折から学んで、せ〜め〜て、段差と階段に反射版をつけてください。頼むから!