七割生活,とほほ

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誰が人種差別者か? ANAのCMとインテルの「ウホハ村滞在記」2006について

ANAのCMが物議を醸している。http://www.afpbb.com/articles/-/3006872
つまり日本で「ガイジン」というと金髪で鼻が高い、というステレオタイプがあって(半分皮肉ではあるが)それに日本在住の外国人が不快感をしめしているらしい。それが記事になったのだ。
 で、ここでいいたいのは、2006年にインテルが日本向けのCMで「ウホハ村滞在記」というのを作ったとき、テレビCMで深津絵里が見知らぬ南国の村(言葉がつうじない)に迷い込んだという設定でWEBでもCMの物語を展開していたということ。その内容が、金髪の外国人よりある意味でもってひどいレイシスト丸出しだったことである。しかし、日本ではこれは問題にならなかった。次のシーズンインテルはさっさとその資料をWeb上から抹殺した。
 でも、わたしは忘れないのである。
くだんの「ウホハ村滞在記」についてはこれで検索するとそのCMを見た人の感想がいまでもでてくる。みな好意的に「どこかわからない架空の南国の未開人の村」という設定にあこがれともなんともつかない感想を抱いていて不快感はないようだ。
 しかし。その村の設定は、バナナ、草ぶきの家、半裸に腰蓑やあきらかにインドネシアバティック。奇妙な髪型や飾り、顔や体に色を塗りたくっている、山羊や鶏がいて弓矢で狩りにいくにもかかわらず、「ベジタリアン」????であるという設定。日本人女子は探検者のような格好でこの村に迷い込み、最後は親切な長老が歓待したあげく家に帰してくれる、ということなのだが、これを、東南アジアやパプアニューギニアの人々がみたらどうおもうかね。
 インテルが巧妙なのは、このWEBCMが全編日本語であるにも関わらず、画像をおいたサーバはアメリカにあり、以下のような画像での注意書きが載っていることである。つまり、もしかして訴えられるかもしれない、という危険を察知していた訳である。文章もJpgで画像として載っているので検索語では引っかからない。巧妙にズルイとしかいいようがない。また、外国人というと英語、白人しか想定しない日本人側の意識も相当だめだめである。インテルはこの画像を撤去しているがわたしは「個人として」そのときの画像をすべて保存してございます。